再録 「チェコスロヴァキアめぐり (カレル・チャペック エッセイ選集)」 [チェコ本]
チェコスロヴァキアめぐり (カレル・チャペック エッセイ選集)
- 作者: カレル チャペック
- 出版社/メーカー: 恒文社
- 発売日: 1996/09
- メディア: 単行本
チャペックの文章はわかりやすい。光景が浮かぶ。
当時は写真が普及していないだろうからこういった見聞録は喜ばれたろうなあと思う。
目でみてわかることと、他人の視点からの風景は違うから、ラジオ的な面白さかも?そして小説ではないせいか、必要以上の感情がないのも情景が浮かびやすいのかもしれない。
時代は7、80年前のお話だが、当時からお城見学とか観光が盛んだったのね。
お城の白衣の貴婦人の幽霊の話を、チャペックもしているのが、おおっと思う。
「その年齢にしては明らかに活動的な貴婦人」の表現に思わずニヤリとしてしまう。
またプラハ市内は古い街ならではの悩み-例えば景観を優先するのか利便性を優先するのか
が語られている。1,000年都市ならではな悩みだ。
また大都市ならではの郊外の移り変わり離も興味深い。
「警察の手入れ」なるドキッとするようなエッセイもある。貧民街に警察が入って住人調査をするが、狭い部屋に何人もがひしめいていて息苦しくすら感じる。
貧しい人が子沢山で、子どもの救済策をとれば、親がそのお金を取り上げて別のものに使ってしまうという話などはジプシーとかあるいは現代の日本にも通じるかもしれない。
スロヴアキアについては、豊かな田舎といった印象を受ける。美しい山岳の自然と人がつくりあげた田園、刺繍が美しい民族衣装。
一つの国だった時代なごりかな。
お勧めしたい人・・・エッセイ好き
グルメ度・・・★☆☆☆☆
写真・イラスト度・・・★★☆☆☆
マニア度・・・★★★★☆
ショッピング度・・・★☆☆☆☆
観光地度・・・★★☆☆☆
ストーリー度・・・★★★★★
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